はじめまして

みなさん、はじめまして。
私はCue-Pon! の栄 夢乃と申します。
これから私たちのウェブサイトを通して、アメリカの発達障がい(特別支援教育)に関する情報を皆さんにシェアしていこうと思います。

▼目次

活動をはじめようと思ったきっかけ

この活動を始めようと思ったのは、私自身の息子が自閉症を持っていること、また運営しているベビーシッター会社「マミーズサービス」を通して、我が子の成長や発達、教育に悩むお客様に多く出会ってきたことがきっかけでした。
世の中には、我が子が障がいを持って生まれて来たことに絶望し、その結果落ち込んだり鬱になってしまうご家族が多くいらっしゃいます。障がいを持つ子どもの子育ては想像を絶する苦労があります。

そのような現実がある中で私は、ご家族が少しでも楽しく毎日の生活を送ることができる方法はないかと日々考えていました。

アメリカのインクルーシブ教育が持つ可能性

アメリカの特別支援教育は、日本の20年も30年も先を行っていると聞いたことがないでしょうか。障がいを持つ子どもにとって、アメリカの教育は素晴らしいとよく聞きます。
それはなぜでしょう?

例えば私の息子は、日本では公立小学校の特別支援学級に在籍しています。先生方はとても情熱的で、専門的で、毎日とても助けられており、息子も楽しく通学しています。
ですが、クラスは障がいを持つ生徒たちの少人数制となっており、障がいを持たない生徒たちとの関わりがほとんどない状態です。
一方でアメリカの小学校は障がいの有無に関わらず、全員が同じ教室で勉強をする権利があります。
アメリカの状況は「インクルーシブ(包括的)」、日本は「エクスクルーシブ(排除的)」となるわけです。

インクルーシブ教室では、教師が全ての生徒のニーズに応えることが求められます。それを日本の普通学級と特別支援学級の教師たちに言うと、皆揃えて「信じられない、一体どうやっているの?」と言います。でも、もし教師たちが全ての生徒のニーズに応えられたら、日本のように普通学級と特別支援学級でクラスが分けられる必要もありません。(もちろん、アメリカの教師は日々ワークショップなどで最新の教育方法を勉強してレパートリーを増やすなど、大変な努力をしています。)

日本の学校もアメリカの学校もそれぞれ良いところはありますが、私はアメリカの教室で採用されている様々な戦略や工夫が日本でも広く用いられれば、障がいを持つ子どもたちやその家族、関係者の全員が子どもの障がいを悲観的に捉えることなく、よりハッピーに過ごせるようになるのではないか、また障がいを持たない人々の障がいへの理解が進み、より障がいを持つ人々を身近に感じることができるのではないかと考えました。

米大学院で特別支援教育を学ぶため子どもとともに渡米

このような背景があり、私はアメリカの大学院で特別支援教育について学ぶことを決め、2020年にバーモント州セントマイケル大学院の教育学部特別支援教育学科へ入学しました。

2年間アメリカの特別支援教育について学び、2022年に修士課程を卒業しました。
大学院での研究テーマは、「アメリカのインクルーシブ教室で導入されている戦略と実践」。

授業では、バーモント州における特別支援教育の法律やアメリカの障がい者教育の歴史といった基礎知識から、パーソナライズドラーニングやソーシャルエモーショナルラーニングといったアメリカの教育現場でメジャーとなっている教育方法、また、障がいを持つ生徒のための算数の教授法や、マインドフルネスなどの専門的な知識も学びました。
子どもへの教育のための知識だけではなく、教育者とスタッフの育成などといった育成者を育てる知識も学びました。

留学には2人の子どもたちも同行し、家族でアメリカ生活を送りました。子どもたちは現地の学校へ通い、息子はアメリカで特別支援教育を受けました。

帰国後は、アメリカの大学院で学んだ特別支援教育の知見や息子の学校(特別支援教育)から得た経験をもとに、Cue-Pon! を通して、また栄陽子留学研究所やマミーズサービスを通して、発達障がいを持つ人々とその家族や教育関係者のみなさまの手助けとなるような情報発信をしていきたいと思っております。

身近なところから一歩一歩、みなさまのお役に立てますように。

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