親が悪い⁉発達障がいを持つわが子が鉛筆の持ち方を矯正させて気づいたこと

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「私の教え方が間違っていたのかな?なんでこうなってしまったのだろう…。」

発達障がいを持つわが子を見てつい気になってしまうことがありました。
それは、鉛筆の持ち方です。

幼児教室に通い始めたわが子が鉛筆を手に取った時から(いや、これはもはや「握る」に近かった⁉)、鉛筆の持ち方をめぐる「答え探し」が始まりました。

私が子どもの時は、母に教育され、人並みに正しく鉛筆を持てるようになったと思います。
それがどうしてわが子には通じなかったのか、と悩む毎日。

サポーターを何種類も試してみたり。
矯正用の鉛筆も試してみました。

試行錯誤を繰り返した果てにいきついたのは「子どもが書きやすいように書くのが一番」という結論でした。

今回は、わが子に2種類の矯正器具を試してみた結果を踏まえ、このような考えに至った経緯をお話しします。

発達障がいあるある?クレヨンを握りしめるわが子

自閉症を持つ息子が初めて筆記用具を持ったのは、幼児教育に通い始めた3歳の時。

当時私はすでに会社を運営していたことや息子の発達障がいの特性に慣れるのに精いっぱいで、勉強をみてあげる余裕がありませんでした。
そこで、子どもを幼児教室に通わせることにしました。

最初の課題は、プリントに書かれた手のひらサイズの大きさの円を赤いクレヨンで塗りつぶすことでした。

ところが、初めてクレヨンを手にした息子はグーの形で握ったまま。
手を動かすように促されてはクレヨンを投げる、の繰り返し。
うまくクレヨンが扱えず、かなりのストレスだったのでしょう。

最終的には先生が息子の指を正しい持ち方に直し、上からギュッと握って動かす始末。

先生からは「まずは濃くしっかりかくことが大事。基本はできている。」とのお言葉をいただきました。
しかし、教室でクレヨンの持ち方を直しては家に帰るとグーに戻るのを繰り返す日々。

息子が小学校に入学するまでの間に鉛筆を握らせてみるものの、もちろん持ち方が変わることはありません。私としては「いつまでこの状態が続くのだろう?」との不安が続きました。

ちなみに、筆記用具などをうまく使えないということは、発達障がいを持つ子どもによく見受けられます。
息子も、身体感覚と指先の動きを連動させるのに苦労しているようです。

発達障がいがあるわが子に「持ち方サポーター」を使ってみた

そんな状態の中、最初にトライしたのが「持ち方サポーター」。
発達障がいを持つ息子が8歳の時でした。

もっとも、小学校一年生を終えた7歳の時、息子の鉛筆の持ち方が大きな変化を遂げました。
入学前のグーに近い持ち方から、人差し指と中指と親指で鉛筆を持ち、薬指で支えるいまのスタイルに変わったのです。

正しい持ち方とは異なるものの、大きな進歩です。
特別支援学級の先生の偉大さを感じずにはいられませんでした。

この変化を目の当たりにした私は、「持ち方サポーター」を使えば、持ち方がもっと良くなるのではないかと考えるようになりました。
このグッズは、真ん中の穴の部分に鉛筆を、付着しているサックの部分に親指と人差し指を入れることで、持ち方を固定させるというものです。

しかし、自閉症の特性を抱えるわが子の場合は失敗でした。

持ち方を無理やり固定させることで指に力が入らなくなり、鉛筆をしっかりと握ることができなくなってしまったのです。
息子が鉛筆をうまくコントロールできずいらだっているのを見て、私もなんとも言えないもどかしい気持ちになってしまいました。

さらに、サポーターを外して鉛筆を持ち直してもらったところ、混乱したのかかえって元の持ち方が分からなくなる始末。

嫌がる息子を説得し数カ月続けてみたものの、これでは勉強のモチベーションにも悪影響が出ると判断し、使用を断念しました。

「こどもえんぴつ」でご機嫌になるわが子を見て気づいたこと

サポーターでの失敗ののち、試してみたのはくもんの「こどもえんぴつ」。

鉛筆が三角の形をしていて、人差し指があてやすくなっているのが特徴です。
また、濃さは6B・4B・2Bの3種類があり、筆圧が弱い子でもはっきりとした字を書くことができます。

ところが、「こどもえんぴつ」をもってしても、発達障がいがある息子の鉛筆の持ち方を変えることができませんでした。
その代わり、「こどもえんぴつ」には思わぬ「副産物」がありました。

「こどもえんぴつ」を使っているときの息子はまさにノリノリ。
漢字を写し終わった後、私にどの字が一番上手かを質問し、満足げに自分でその字に「はなまる」をつけるのです。
これまでに見られない光景でした。

息子のお気に入りの濃さは4B。

鉛筆本体の色が好きなのに加え、「ちょうどいい柔らかさ」なのだそうです。
私が教えなくても濃い鉛筆が柔らかいということを感じているということは、よほど本人にフィットしているのでしょう。

自閉症を持つ息子が明るい表情で漢字ドリルに向かう様子を見て、私は鉛筆の持ち方にこだわるよりも、勉強に向かうモチベーションが大事なことを学びました。

発達障がいを持つ子どもに合った成長の方法を探すことの大事さ

上記2つの矯正グッズを試した経験から、私は「鉛筆の持ち方は正しくあるべき」というこだわりから少し距離を置くことができるようになりました。

また、鉛筆の持ち方に関する固定概念から脱却できるようになったきっかけは他にもあります。
そのきっかけは、アメリカの小学校で子どもたちの様子を見て、自分が「鉛筆の持ち方」の理想を追い求めすぎていることに気づいたことです。

アメリカの小学校では、生徒ひとりひとりの個性が尊重されています。
それぞれの生徒が異なるバックグラウンドを持っていて、学び方も多様です。

そのような環境でクラスメートたちは、他とは「少し違った」発達の仕方をたどっている息子に対して特に変わった感情をいだくことはありません。
なぜなら障がいを持たない生徒たちも、皆それぞれ個性が異なるからです。
それゆえ、多くの生徒は発達障がいを持つ息子にも区別せずに接してくれます。

私はそんな仲間に囲まれている息子を見て、「正解」にとらわれずに息子の成長に合った勉強方法を探していくことの大事さを学ぶことができました。

ちなみに、自閉症を持つ息子がサポーターや「こどもえんぴつ」を試している様子はこちらの動画でご覧になれます。

(Youtube動画を挿入)

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